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翻訳の「正確性」と「流暢性」について

 訳出には

・正確でもないし流暢でもない(左下)

・正確だが流暢でない(左上)

・流暢だが正確でない(右下)

・正確かつ流暢(右上)

 

 の4種類に分けられます。4つのうち翻訳と呼べるのは右上だけと言えるでしょう。

 

・読みづらいし意味も伝わらない(左下)

・ぎこちないが一応意味は合っている(左上)

・滑らかだが意味が間違っている(右下)

・意味が分かる(右上)

とも言い換えられます。手直しする場合、右下のように「滑らかだが意味が間違っている」ものが意外に厄介です。

1行目:実際PE。棒グラフ。原文理解1:機械出力確認0.8:訳文差し替え0.8。2行目:もしかしたら外部目線:機械出力の確認0.8:訳文差し替え0.8。3行目:翻訳:原文読解1:翻訳作業0.8。4行目:翻訳者から想像する一般の人目線。原文読解1:機械出力の確認0.3:訳文差し替え0.3

機械翻訳のポストエディット(MTPE)の作業負荷について

 

機械翻訳のポストエディットは原文に加えて機械翻訳の出力にも目を通して正しいかどうかを判断し、さらに誤りがあった場合には修正するという作業が加わるので、一から翻訳した場合(棒グラフ3行目)よりも作業量が多い場合があります(棒グラフ1行目)。

  

一般の人から見れば作業量が軽減されていると思われているのだろう(棒グラフ4行目)と思っていましたが、「外部目線」では、人によっては棒グラフ2行目のように、「原文を読まずに機械の出力だけを見て手直ししている」と思う人もいるようです。(にゃーこさんは以前そう思っていたとのこと)

 

ポストエディットは原文と機械の訳文を両方を突き合わせてチェックする「クロスチェック」作業ですから、原文を読んで理解する工程は外せません。機械出力の精度がよほど高くないとポストエディターの負荷は低くならないのが現状です。